ノックイン / ノックアウト
オプション契約のノックインとノックアウト条項について。
【復習】コールとプット
基本的なオプションの復習。
【本題】ノックインとノックアウト
ノックイン(knock-in)オプションとは、ある条件を満たすと効力を持つオプションのこと。
例えば、コールオプションにおいて、行使価格が100円、ただし「期間中に一度でも120円以上にならない限り、権利行使できない」という条件付き、というオプション契約があるとき、この但し書きの部分の条件をノックイン条項と呼び、こうした条件を含む(コール)オプションをノックイン・コールオプションと呼ぶ。
また、ノックイン条項が発動する価格をノックイン価格と呼ぶ。
一方、ノックアウト(knock-out)オプションとは、ある条件を満たすと効力を失うオプションのこと。
例えば、プットオプションにおいて、行使価格が90円、ただし、「期間中に一度でも75円以下になった場合、権利行使はできなくなる」という条件付き、というオプション契約があるとき、この但し書きの部分の条件をノックアウト条項と呼び、こうした条件を含む(プット)オプションをノックアウト・プットオプションと呼ぶ。
また、ノックアウト条項が発動する価格をノックアウト価格と呼ぶ。
【比較】普通のオプションとの違い
ノックアウトやノックイン条項の付いていないシンプルなオプション(バニラ・オプション(Vanilla option / Plain vanilla option)と呼ばれる)と比較してみる。
ノックイン・オプション
オプションの買い手にとってみると、ノックイン条項が付いていることは、権利行使できる可能性が狭まるので、その分バニラ・オプションよりプレミアムが安くないと買うインセンティブがない。
反対に売り手にとってみれば、ノックイン・オプションが付いていることにより買い手に権利行使をされる可能性が狭まるので、プレミアムが多少安くても売ることができる。
ノックアウト・オプション
買い手にとっては、ノックアウト・オプションも権利行使できなくなる条件があるので、プレミアムはバニラ・オプションより安くなきゃ困る。
逆に売り手にとっては、プレミアムは多少安くてもよくなる。
【まとめ】
ノックインもノックアウト条項も、オプション契約の行使条件を制限する条項である点は変わらない。
- イン・・・効力がスタート
- アウト・・・効力が切れる
と覚えておけば問題なかろう。
【参考】
※本ブログを参考にした投資によるいかなる結果についても、筆者は責任を負うことはできません。投資は自己責任でお願い致します。ご了承ください。