妄想コンサル日誌

架空の若手コンサルタントの日記、ときどき勉強&読書

コール・オプション / プット・オプション

コール・オプションとプット・オプションについての基礎知識・備忘録

 

【導入】デリバティブとオプション

  • デリバティブ(derivatives); 金融派生商品(=ある金融資産の価格変動に応じて経済的価値が変わる金融商品)。「デリバ」と略す人も
  • オプション(option); ある金融資産を「買う権利」又は「売る権利」。デリバティブの一種

 

【本題】コールとプット

  • コール(call option); ある金融商品を将来のある時点・ある価格で「買う権利」
  • プット(put option); ある金融商品を将来のある時点・ある価格で「売る権利」

 

「ある金融商品」を原資産(Underlying asset)、「将来のある時点」を満期日(Expiration date)権利行使日(Exercise date)、「ある価格」を行使価格(Strike price, Exercise price)と言う。

 

 

コール・オプションは「買う権利」であり、その権利を買うこと、または満期日前の時点でその権利を持っている状態をロング・コール、その権利を売ること、または売っている状態をショート・コールと言う。 

満期日の原資産の市場価格がオプションの行使価格を上回っていたら、ロング・コールが儲かり、ショート・コールは損する。

 

 

プット・オプションは「売る権利」であり、その権利を買うこと、または買っている状態をロング・プット、その権利を売ること、または売っている状態をショート・プットと言う。 

満期日の原資産の市場価格がオプションの行使価格を下回っていたら、ロング・プットは儲かり、ショート・プットは損する。

 

 

オプションの値段(その権利をいくらで買うか/売るか)をプレミアム(Premium)と言う。

 

 

【損益図】コールとプット

例として、行使価格50円、プレミアム5円のコール・オプションの損益を考える。

(横軸は「満期日における原資産の市場価格」、縦軸は「損益」)

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市場価格が50円を超えるまではプレミアムの分だけ損をするが、

50円を超えた後は⦅市場価格-行使価格-プレミアム⦆だけ損益が発生する

 

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市場価格が50円を超えるまではプレミアムの分だけ得をするが、

50円を超えた後は⦅市場価格-行使価格-プレミアム⦆だけ損益が発生する

 

今度は、行使価格50円、プレミアム5円のプット・オプションの損益を考える。

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市場価格が50円を超えてるうちはプレミアムの分だけ損をするが、

50円を下回ると⦅市場価格-行使価格-プレミアム⦆だけ損益が発生をする

 

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市場価格が50円を超えてるうちはプレミアムの分だけ得をするが、

50円を下回ると⦅市場価格-行使価格-プレミアム⦆だけ損益が発生する

 

 

【補足】アメリカンとヨーロピア

  • アメリカン・オプション(American Type Option); 満期日までいつでも権利行使が可能
  • ヨーロピアン・オプション(European Type Option); 満期日のみ権利行使が可能

 

アメリカンはロング・ポジション(買い手側)にとって有利なので、他の条件が全て同じならアメリカン・オプションはヨーロピアン・オプションよりプレミアムが高い。

 

 

【まとめ】

「買う権利=コール」か「売る権利=プット」か、その権利を「買う=ロング」か「売る=ショート」かで、全部で4象限に分かれる。 

 

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2×2で4通り

 

損益図をかくときは、プレミアム分を加減するのを忘れないように。

 

 

【参考】

Options Definition