妄想コンサル日誌

架空の若手コンサルタントの日記、ときどき勉強&読書

コーラブル / プッタブル

資金調達の文脈で出てきたコーラブルとプッタブルについて。

 

【復習】コールとプット

こちらはデリバティブ金融派生商品)の世界の言葉。

  • コール(call option); 金融商品を将来のある時点・ある価格で「買う権利」
  • プット(put option)金融商品を将来のある時点・ある価格で「売る権利」 

hal-consultant.hatenablog.com

 

【本題】コーラブルとプッタブル

コーラブル(callable)とは、債務者が債権を「買い戻す権利」があるということ。

つまり、ローンであれば資金の借り手社債であれば発行体が、債務が満期を迎える前に自身の都合で期限前弁済・償還をすることが可能である。

そのようなローンをコーラブルローンと呼び、債券であればコーラブル債と呼ぶ。

 

反対に、プッタブル(puttable)とは、債権者が債権を「売り返す権利」があるということ。

つまり、ローンであれば資金の貸し手社債であれば投資家が、債権が満期を迎える前に自身の都合で期限前弁済・償還を要求できる。

そのようなローンをプッタブルローンと呼び、債券であればプッタブル債と呼ぶ。

 

【比較】普通の債権との違い

簡単のため、債券に限って考える。

 

コーラブル債は、発行体がいつでも債券を買い戻せる(期限前償還できる)。すると、

  • 将来金利が下がる→期限前償還して借り換えることができる
  • 将来金利が上がる→満期まで発行時点の条件のまま借り続けることもできる

経済合理的に考えると、発行体(資金の借り手)に有利であると言える。

したがって、同格付・同年限の普通の債券と比べて、発行時点ではクーポン(利息)は高くなる

 

プッタブル債は、投資家がいつでも債券を売り払える(発行体に期限前償還させることができる)。すると、

  • 将来金利が上がる→期限前償還してより良い条件で再投資ができる
  • 将来金利が下がる→満期まで発行時点の条件のままで債券を保有し続けることもできる

経済合理的に考えると、投資家(資金の貸し手)に有利であると言える。

したがって、同格付・同年限の普通の債券と比べて、発行時点ではクーポン(利息)は低くなる

 

【まとめ】

  • コーラブル・・・借り手に有利な期限前償還の条項
  • プッタブル・・・貸し手に有利な期限前償還の条項

と覚えておけば問題なし。これさえ覚えておけば、金利が上がったり下がったりした時どうなるか、通常の債権と比べて金利が高いか低いかということはすぐに分かる。

どっちが借り手でどっちが貸し手か分からなくなったら、

  • コール・・・「買う権利」
  • プット・・・「売る権利」

という言葉の定義からどっちが債権をコールできる(買い戻せる)か、プットできる(売り返せる)かを考えればよいね。

 

 

 

【参考】

Callable Bond Definition

Put Bond Definition

 

 

 

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