【読書・書評】紀里谷和明『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた』
「そもそも自己啓発をする必要があるのか」を考え始めた時に、たまたま出会った1冊の本。
紀里谷和明『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた』
「成功したい」「結果を出したい」「金持ちになりたい」「夢が欲しい」
こうした願いを抱いた時に、「どうすればできるか」と考えて自己啓発本やネットの情報を調べる人と、「でも自分なんて、、、」と諦める人。
どちらがいいとか悪いとかではない。
そもそもこうした願いを持つのは「今の自分ではない誰か」になろうとしているからではないか?
そう思ってしまうのは自分の意思ではなく、他人の目を気にしすぎているからではないか?
こうした疑問について真剣に考え直すきっかけをくれる。
紙の本ベースだと400ページ超の大作に見えるが、話は章ごとに分けられており、また対話篇になっているのでサクサク読めた。(私はKindleで購入)
「自分探し」や「意識高い系」を揶揄する風潮が日本に漂っているように感じる。
しかし、他人の目を気にしすぎて、自分が本当は何に感動したり、どうすれば喜びを感じるのかに目を向けなさすぎるのは勿体ない気がする。
他人に迷惑をかけなければ(ときには他人の手を借りてでも)、一度きりの人生で何をしたっていいはず。
"人間の一生も夢と同じです。
(中略)
いつ終わりがくるのかわからないなら、その間は存分に楽しんだほうがよいのではないでしょうか。"
紀里谷和明『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた』